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【MLB】データで見る田中将大の不調の原因

ヤンキース田中将大選手が不調だ。

 

開幕から苦しい投球が続いており、今日のレッドソックス戦でも5回を投げ失点5被本塁打3という結果だった。

 

昨シーズンはまさにエースの働きをしていた田中選手だけに、今シーズンの不調は意外だった。

 

この不調の要因は様々挙げられているが、実際には何が原因なのか?

 

今回の記事ではデータを使って、不調の原因を明らかにする。

 

過去3年と今年の結果を比較

まずは良く見られる防御率奪三振率、四球率、被本塁打率を以下にまとめる。

  防御率 奪三振 四球率 本塁打
2014 2.77 9.31 1.39 0.99
2015 3.51 8.12 1.58 1.46
2016 3.07 7.44 1.62 0.99
2017 6.55 7.91 2.45 2.32

防御率、被本塁打率が悪化しているのは試合を見ている印象通りだが、意外なのは四球率

 

コマンドが良い田中選手だが、今シーズンは本塁打を気にし過ぎて四球が増えていると考えられる。

 

検証を進めるために、更に細かくデータを見ていく。

 

打たれた打球の性質

FanGraphsを見ると打たれた打球の強さを、Soft、Mid、Highの3つに分類して、その割合を算出してくれている。

 

この割合を過去3年と比較してみる。

  Soft% Med% Hard%
2014 17.6% 47.6% 34.8%
2015 19.3% 49.7% 31.1%
2016 18.5% 49.1% 32.4%
2017 19.5% 46.0% 34.4%

 この表を見てみると、好調だった昨シーズンを含め打たれた打球の性質は変わっていない

 

つまり、田中選手の投げている球が通用しなくなったとは考え辛い

 

運の要素

セイバーメトリクスにおいて運の要素が強いが、各選手において安定すると言われる3つの指標を見てみる。

(BABIP:打たれたゴロの内、ヒットになった打球の確率)

LOB%:走者が生還せずに残った確率)

(HR/FB:打たれたフライの内、ホームランの確率)

  BABIP LOB% HR/FB
2014 0.299 79.5% 14.0%
2015 0.242 74.0% 16.9%
2016 0.271 76.4% 12.0%
2017 0.323 67.8% 23.3%

3つの指標とも例年に比べ、大幅に悪化していることが分かる。

 

つまり、今年の田中選手は運が悪い側面もあると言える。

 

球種の割合と球速

 次に投げている球種の割合と球速を見てみる。

  FB% SL% CT% CB% SF%
2014 40.6% (91.2) 22.2% (83.1) 6.1% (88.9) 5.7% (73.5) 25.0% (86.5)
2015 32.5% (91.8) 21.5% (83.8) 11.1% (88.9) 7.3% (76.7) 27.5% (87.7)
2016 31.6% (90.6) 26.1% (83.7) 8.0% (88.3) 5.4% (75.4) 28.9% (86.6)
2017 33.3% (91.8) 25.7% (84.8) 10.5% (89.8) 6.2% (76.5) 24.4% (88.2)

 こちらも例年とほぼ変わりなく、速球の球速が落ちている訳ではない。

 

あえて言えスプリット(SF)の割合が減っているが、そこまで大きな差ではない。

 

球種別の威力

FanGraphsでは、ある球種を100球投げた時に他の選手に比べて何点防いだかを示す指標を算出している。

 

例えば、「wFB/C:1.46」の場合、その選手は直球で他の選手に比べて1.46点防いでいることを示している。 

  wFB/C wSL/C wCT/C wCB/C wSF/C
2014 -1.26 2.5 0.02 -1.52 2.4
2015 -2.38 2.18 1.79 0.08 1.42
2016 0.18 0.6 -0.9 -0.13 2.07
2017 -3.24 0.1 -3.79 1.34 0.3

まず直球は非常に悪い数値だが、昨シーズンが良すぎたとも言える。

 

気になるのは、スライダーとスプリットの悪化。

 

ともに田中選手の決め球と言える球種で、これが威力を発揮していないのが不調の原因と言えるだろう。

 

まとめ

以上の検証から不調の原因の1つは「運が悪い」ことと言えるが、もう1つは以下の様に考えられる。

 

LOB%、決め球の威力が低いことから、ランナーを出してから決め球で抑えに行こうとして打たれて失点が増えると考えられる。

 

何とかして持ち直して欲しいが、決め球の調整を含め一旦休むのも良いかもしれない。