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【サッカー】注目の指標「xG」とは?解説&活用方法を紹介

現代のスポーツ界において、データ解析はますます重要になっている。

 

今まではデータの利用が難しいと言われていたサッカーでもそれは同様だ。

 

今回は海外のサッカー界で非常に注目されているxGについて記事を書く。

 

まだまだ日本では浸透していない指標であるが、従来の指標より優れているのでぜひ読んで欲しい。

 

 

 

xG」の基礎知識

xGは統計的に期待されるゴール数を示す!

xG」はExpectedGoalsの略、つまりゴール期待値を示す。

 

現在のサッカー界においてはほぼ全てのアクションがデータ化されている。

 

そのデータから、ある地点で放たれたシュートが得点になる確率が算出されている。

 

例えばペナルティキックについて考えてみよう。

 

ペナルティキックの成功率は平均して76%である。

 

つまりペナルティキックの得点期待値は0.74ということになり、xG=0.74となる。

 

xGの具体的な算出方法

まずはシュートに至るパターンを以下の3つに分ける。

  • 流れの中からのシュート
  • コーナーキックからのシュート
  • セットプレーからの直接シュート

この3つのパターンとシュート位置を考慮に入れ、各シュートの成功率からxGを算出する。

 

現状ではここで使っているシュートの成功率は一般には公開されていない様である。

(知っている人が居れば教えて下さい。)

 

このxGを各試合、各選手毎に集計することで統計的に色々な見方をすることが出来る。

 

 

xGの妥当性

 

xGの指標としての妥当性を示すために、実際の得点数との相関を見る。

 

ここでは2016-2017プレミアリーグのデータを利用。

 

 

Team G GA PTS xG +- xGA +- xPTS -
Chelsea 85 33 93 62.42 -22.58 28.72 -4.28 76.09 -16.91
Tottenham 86 26 86 71.04 -14.96 34.26 +8.26 75.38 -10.62
Manchester City 80 39 78 80.63 +0.63 30.13 -8.87 85.06 +7.06
Liverpool 78 42 76 67.38 -10.62 38.59 -3.41 69.69 -6.31
Arsenal 77 44 75 64.95 -12.05 47.54 +3.54 62.38 -12.62
Manchester United 54 29 69 58.67 +4.67 31.69 +2.69 71.26 +2.26
Everton 62 44 61 49.86 -12.14 46.49 +2.49 55.49 -5.51
Southampton 41 48 46 50.31 +9.31 43.21 -4.79 55.7 +9.7
Bournemouth 55 67 46 51.07 -3.93 63.61 -3.39 43.62 -2.38
West Bromwich Albion 43 51 45 38.75 -4.25 48.16 -2.84 45.94 +0.94
West Ham 47 64 45 49.66 +2.66 61.08 -2.92 46.39 +1.39
Leicester 48 63 44 45.07 -2.93 51.58 -11.42 48.11 +4.11
Stoke 41 56 44 48.32 +7.32 48.9 -7.1 52.29 +8.29
Crystal Palace 50 63 41 45.6 -4.4 50.57 -12.43 48.45 +7.45
Swansea 45 70 41 39.83 -5.17 66.8 -3.2 36.54 -4.46
Burnley 39 55 40 35.97 -3.03 56.34 +1.34 38.09 -1.91
Watford 40 68 40 36.57 -3.43 53.4 -14.6 40.51 +0.51
Hull 37 80 34 34.14 -2.86 73 -7 30.78 -3.22
Middlesbrough 27 53 28 31.18 +4.18 55.48 +2.48 37.38 +9.38
Sunderland 29 69 24 34.3 +5.3 66.19 -2.81 32.16 +8.16

 

f:id:TCDumplings:20171113221036p:plain

(引用:https://understat.com/league/EPL/2016

 

上のグラフに示す通り、非常に高い相関を持つ。

 

つまりxGは得点数を予測する指標として妥当である。

 

xGと実際の得点数との相違について

xGは得点期待値を示すが、それが実際の得点数と完全に一致することはない。

 

その理由は主に以下の4つがあると考えられる。

  • シュートを打った選手の実力
  • キーパーの実力
  • キーパスの質

前述の通り、xGは各シュートの「平均」の得点期待値を利用している。

 

つまり平均的な選手がプレーした結果であり、シュートを打つ選手がメッシ選手なら得点期待値は上がるだろう。

 

また、キーパーがノイアー選手なら得点期待値は下がるだろう

 

またスポーツには付きものな「運」という要素も考慮に入れておく必要がる。

 

xGの活用法

チームの「真の」攻撃力を知る

例えばシュート数や枠内シュート数はそのチャンスの質は考慮されないが、xGは各シュートの成功率を基に算出されているのでチャンスの質が考慮される。

 

つまりxGが高いチームはチャンスの質が高く、攻撃力が高いと言える。

 

ここで2016ー2017のプレミアリーグの結果を再度見て欲しい。

 

得点数から見るとトッテナムが最も攻撃力のチームと言えるが、xGの観点で見るとマンチェスターシティが最も攻撃力のチームと言える。

 

特にマンチェスターシティは回帰直線から大きくはずれており、運が悪いシーズンだと考えられる。

 

実際に2017-2018の結果を見ると、マンチェスターシティはxG、実際の得点数ともにダントツの1位である。 

Team G GA PTS xG +- xGA +- xPTS  
Manchester City 38 7 31 31.77 -6.23 6.45 -0.55 28.13 -2.87
Manchester United 23 5 23 21.95 -1.05 11.42 +6.42 20.34 -2.66
Tottenham 20 7 23 18.77 -1.23 7.34 +0.34 23.31 +0.31
Chelsea 19 10 22 13.76 -5.24 10.64 +0.64 17.51 -4.49
Liverpool 21 17 19 23.58 +2.58 14.27 -2.73 21.68 +2.68
Arsenal 20 16 19 21 +1 13.76 -2.24 20.25 +1.25
Burnley 10 9 19 6.54 -3.46 15.22 +6.22 9.65 -9.35
Brighton 11 11 15 8.97 -2.03 14.56 +3.56 11.46 -3.54
Watford 17 21 15 15.51 -1.49 18.43 -2.57 13.7 -1.3
Huddersfield 8 13 15 7.4 -0.6 13.28 +0.28 10.42 -4.58
Newcastle United 10 10 14 12.22 +2.22 12.25 +2.25 14.45 +0.45
Leicester 16 16 13 15.82 -0.18 13.15 -2.85 18.2 +5.2
Southampton 9 11 13 13.94 +4.94 13.38 +2.38 15.32 +2.32
Stoke 13 22 12 11.66 -1.34 18.92 -3.08 11.05 -0.95
Everton 10 22 11 12.68 +2.68 17.1 -4.9 13.17 +2.17
West Bromwich Albion 9 14 10 9.12 +0.12 13.52 -0.48 11.9 ;1.9
Bournemouth 7 14 10 8.05 +1.05 17.21 +3.21 8.99 -1.01
West Ham 11 23 9 9.76 -1.24 18.6 -4.4 9.52 +0.52
Swansea 7 13 8 10.13 +3.13 16.56 +3.56 11.67 +3.67
Crystal Palace 4 22 4 12.5 +8.5 19.07 -4.93 14.13 +10.13

  

f:id:TCDumplings:20171113221057p:plain

 

選手の実力を知る事が出来る

 前述の通り、xGと実際の得点数の差異は選手の実力によっても生まれる。

 

ここで世界最高の選手であるメッシ選手の過去3シーズンのデータを見てみる。

 

Season Apps Min G xG +-
2017/2018 11 990 12 10.97 -1.03
2016/2017 34 2832 37 26.89 -10.11
2015/2016 33 2726 26 27.1 1.11
2014/2015 38 3374 43 35.89 -7.11

 

 xGと実際の得点数の差異を見ると2015-2016を除き、実際の得点数がxGを上回っている

 

つまり平均で期待されている得点より多くのゴールを決めていることとなる。

 

単年のシーズンの結果から中々判断が難しいが、複数のシーズンの結果を見ればその選手の実力が分かるだろう。

 

試合の流れをみることが出来る

ここは個人で難しいところだが、以下のグループがTwitterxGから試合の流れを視覚化してくれている。

  

実際の試合を見ている時に感じる流れとなかなか一致しており、興味深い。

 

 

 

まとめ

xG」は直感的に理解しやすく、有用な指標である。

 

ただ、長期的に見てこそ意味のある指標であり、各試合の予想をすることは難しい。

 

xG」を用いてブックメーカーに挑んだ著者が書いた以下の書籍を読むとそれが分かるだろう。

 

サッカーマティクス 数学が解明する強豪チーム「勝利の方程式」

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(他にも色々な数学の技術をサッカーに応用しており非常に興味深い一冊)

 

Jリーグに関するデータはまだ公開されていないが、今後より浸透して欲しい。

 

 

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